リーダーに求められる情熱と冷静さのバランス

やしゃごの朝子です。

世界11か国の青年達とボランティア精神について考える、グローバルリーダー育成研修。今日は二回目の授業でした。インフルエンザが流行っているため、予防のために全員マスクをかけて授業です。

 

さて、今日のテーマは「非営利組織が直面しやすい対立課題について考える」。


社会的な課題を解決するにあたり、NPOやNGO、そして多くのボランティアグループが活動しています。しかし、たとえそれが善意の発露としての活動であったとしも、情熱だけでは乗り越えられない課題は沢山あります。そんな現実に直面したとき、組織のリーダーとして、どのようなバランス感覚が必要でしょうか。

 

今回は特に、東日本大震災での緊急支援・復興支援の現場において、実際に団体の多くが直面した課題を題材に、青年達にリーダーが考慮すべきポイントを考えてもらいました。

 

いくつかの題材の中から、あるグループには、こんな福島での事例をもとにディスカッションしてもらいました。


「原発事故のため、福島県に支援に入った団体数は、それ以外の県に入った団体数に比べて極端に少ない。あなたが県外にあるNPOのリーダーだったら、何をする・しないだろうか。また、それをする・しない理由は?」


危険を伴う支援活動を行う際の、任務に対するメンバーの情熱と、組織のリーダーが考慮すべき責任についてがテーマです。

それについて青年達は、「状況判断から行動に至るまでのステップ」として、こんな見解を発表してくれました。


「まず、課題を特定する。併せて、自分たちがそれに対して行動を起こす正当性についても検討する。」

「次に、信頼できる情報ソースを特定する。」

「さらに、収集した情報を分析・検討する。危険性のレベルはどのくらいか?自分たちはその課題を解決する主体として期待されているだろうか?」

「そして行動プランを立案する。どんな人を現場に送るのが適切か、ロジ面でのアレンジはどうするか、他にも適切な手段はあるか?」

「以上を踏まえた上で実行に移すこと。そして、そこから新たに見えた課題があれば、さらに最初に戻ってこのサイクルを回すこと。」

「また、これらのステップなしに、性急に現場に入ることは慎むこと、相応しくない人材を送り込まないこと、危険を伴う任務を活動メンバーに無理強いしないこと。」


最後に、「情熱には責任感も伴わせて行動しよう」と締めくくってくれました。


東日本大震災では、多くのNGOが東北の被災地へ駆けつけた一方で、福島へスタッフを派遣することを見合わせた団体が多くありました。特に「除染ボランティア」の是非を巡っては、NPO・NGO関係者の間で大きな論点になったことがあります。


そこに支援を必要とする人々の存在を前に、なんとかして助けたいと焦る気持ちも起こるでしょう。でも、状況によっては支援する側に深刻な二次被害をもたらしてしまう危険性もあります。原発災害に限らず、リーダーはそういったリスクを理解するとともに、メンバーの安全性を確保するため適切な判断を下すことが切実に求められます。